10月26日土曜日の午後。今回で7回目になります。「朗読と音楽で綴る〜文学と絵本散歩 vol.7〜」が開催されました。
会場の京都の北、地下鉄国際会館駅から歩くこと6分にある「小さな絵本武術館カフェ響き館」さんは、今年で10周年を迎えられた大人のための絵本を楽しむことのできるスペースです。
上演作品。林木林 作・庄野ナホコ 絵『せかいいちのいちご』(小さい書房)。ちょうど原画展が開催されていました。絵本の魅力と原画の魅力。その両方を楽しめるのが、今回の企画でした。それにプラス、朗読と音楽。耳からも楽しめます。
絵本の帯に「ふえるとへる 増えると減る」と、あります。ここにヒントがあります。
人間って、出会って初めのうちは大切にするのですけれど、それがたくさんあって当たり前の存在になると…初めの気持ちを忘れてしまう。絵本はとっても素敵でおしゃれ。ワクワクします。紙の質感もいいですね。
ヒグチユウコ作『ふたりのねこ』(白泉社)ある日、ぬいぐるみの猫「ニャンコ」は、女の子の猫「ねこ」に拾われました。ニャンコとねこは一緒に暮らすことになり、家族になりました。ニャンコは持ち主の坊ちゃんをねこと共に、毎日探し歩きます…。
かっこいい女の子のねこ。そしてニャンコが、少し腫れた目で涙ぐむ姿に、胸が締め付けられるような思いになります。
ふたりの会話もとても素敵です。
はいじまのぶひこ作『きこえる?』(福音館書店)」もぜひ手にとっていただきたい絵本です。
色合い、質感、ページをめくるごとに広がる世界。言葉少なに語られるのに、どうしてこんなに心が揺さぶられるのだろう…。
そして絵本を閉じた時、胸に広がるなんとも言えない温かさ。「私」と言う存在。
朗読の後は、恒例のティータイムです。
「絵本」の朗読というと、いわゆる「読み聞かせ」のイメージがあるのか、「大人が聞くものではない」と思われるのが、とても残念です。「朗読」を学ぶ方も絵本には「易しい」というイメージがあるのでしょうか。あまり深く読まずに、声に出されていることが多いような気がします。ぜひゆっくりと味わってみてください。大人だからこそわかる、大人だからこそ感じることができる、そんな素敵な世界がそこにはあります。
次回の響き館さんでの朗読会「朗読と音楽で綴る〜文学と絵本散歩 vol.8」〜は、来年2020年3月28日(土)の午後からです。ご都合よろしければぜひお越しくださいませ。
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